筋トレを続けると「腹筋」をしなくなる理由|本当にシックスパックに必要なのは?

筋トレを始めたばかりの頃、多くの人が最初に手をつけるのが「腹筋運動」ではないでしょうか。
床に寝転んで、ひたすら上体を起こす。いわゆる「クランチ」や「シットアップ」ですね。

しかし、筋トレを続けていくと、多くの人が気づきます。

「あれ?腹筋ってあんまり効果なくない?」

実際、筋トレ経験者ほど「もう腹筋はやらない」という人が多いのです。
ではなぜ、筋トレを理解すればするほど腹筋をしなくなるのか。その理由を掘り下げていきましょう。


初心者が「とりあえず腹筋」をやってしまう理由

筋トレを始めたての頃は、どうしても「お腹をへこませたい」「シックスパックを作りたい」という気持ちが先行します。
その結果、とりあえず腹筋運動を毎日100回!なんてことをやってしまいがちです。

確かに、腹筋をやるとお腹が熱くなりますし、「鍛えてる感」があるので満足度は高い。
ですが残念ながら、その努力は見た目の変化に直結しにくいのです。

なぜなら腹筋運動には、他の筋トレと比べて明らかな欠点があるからです。


通常の腹筋は「ストレッチ刺激」がかけづらい

筋肉を大きく、強くしていくためには「ストレッチが効いた状態で負荷をかける」ことが重要です。
これはベンチプレスやスクワットなど、王道のトレーニングで必ず意識されるポイント。

ところが、腹筋運動はこの「ストレッチ刺激」が極端にかけづらい。

床に寝転んで行うクランチでは、背中が床に固定されているため、腹筋がしっかり伸ばされることはありません。
動作範囲も狭く、負荷が抜けやすいのです。

つまり、腹筋は「パンプはするけど筋肥大にはつながりにくい」種目。
だから筋トレ経験者ほど「わざわざ腹筋やる必要ある?」と思ってしまうのです。

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スクワットやデッドリフトで腹筋は十分鍛えられる

では、腹筋はどうやって鍛えればいいのか?

答えは簡単で、ビッグコンパウンド種目(大筋群のトレーニング)をやればいいんです。

代表的なのがスクワットとデッドリフト。
これらは脚や背中のトレーニングと思われがちですが、実は強烈に腹筋を使います。

なぜなら、バーベルを支えながら動作するためには、体幹が崩れないよう腹筋・背筋で全身を固める必要があるから。

スクワットで重量が重くなるほど、腹圧を高めないと腰が潰れてしまいます。
デッドリフトでも、背中を丸めないために腹筋がフル稼働します。

実際、100kg以上を扱うようなトレーニーに聞けば分かりますが、彼らはほとんど「腹筋運動」をしません。
それでもバキバキの腹筋を持っている人が多いのは、スクワットやデッドリフトで十分に鍛えられているからです。

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「腹筋を割る」のに必要なのは筋トレよりも減量

さらに厳しいことを言えば、腹筋を割るのに腹筋運動はほとんど必要ありません。

シックスパックが見えるかどうかを決めるのは、腹筋の大きさよりも「体脂肪率」です。
脂肪が腹筋の上に乗っている状態では、いくら腹筋を鍛えても見えてきません。

つまり腹筋を割りたいなら、

  • 食事管理で脂肪を落とす
  • 消費カロリーを増やす

この2つが本質的なアプローチです。

腹筋運動を毎日やっても、脂肪が減らない限りお腹はへこみません。
逆に、食事管理と全身の筋トレで体脂肪率を下げれば、自然と腹筋は浮き出てきます。

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筋トレの理解が深まると「腹筋はしなくなる」

こうした理由から、筋トレを続けていくと多くの人が気づきます。

  • 通常の腹筋運動は効率が悪い
  • スクワットやデッドリフトで体幹は十分に鍛えられる
  • シックスパックは減量で作られる

だからこそ、経験者ほど「腹筋はほとんどやらない」という結論にたどり着くのです。

もちろん、腹筋をやってはいけないわけではありません。
ケーブルクランチやアブローラーのように「しっかり伸び縮みができる種目」は有効ですし、初心者が体幹を意識する練習として腹筋運動を取り入れるのはありです。

ただ、「シックスパック=毎日腹筋」というのは完全な誤解。
本当に効率よく腹筋を割りたいなら、全身の筋トレと食事管理に力を入れるべきなのです。


まとめ:腹筋にこだわるのは卒業しよう

筋トレを始めたばかりの頃は「腹筋しなきゃ!」と思いがちですが、トレーニングを理解すればするほど、腹筋運動は優先度が低いと分かります。

  • 腹筋運動はストレッチが効きづらく、効果が薄い
  • スクワットやデッドリフトで十分に体幹は鍛えられる
  • 腹筋を割るには減量が最重要

この事実に気づいたとき、あなたはもう初心者を卒業した証拠です。

「とりあえず腹筋100回」から一歩抜け出して、効率よくシックスパックを手に入れましょう。